米国小型株の「ラッセル2000指数」とは?値動きや特徴
ラッセル2000は米国の代表的な小型株指数です。
2020年の終わりごろから「小型株が上昇している」と聞いて、名前を耳にしたり、気になったりしている方もいるのではないでしょうか。
ラッセル2000は小型株で構成されていることから景気に敏感で、「大型株に先行した値動き」が特徴とされます。
ラッセル2000の概要、値動きの特徴、そして投資判断においてどのように利用できるかについて解説します。
ラッセル2000の概要と特徴
まずラッセル2000とはどのような特徴がある指数なのか、ラッセル1000やラッセル3000との違いも含めて解説します。
ラッセル2000とは
ラッセル2000指数は、ラッセルインベストメント社によって1984年に開発されました。
ラッセル2000のもとになっているのは、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどの上場銘柄のうち、時価総額が上位1001位から3000位までの銘柄です。
これらの銘柄について浮動株調整(市場に出回らない株は控除)したのち、時価総額加重平均(量の大小を反映して計算する方法。時価総額の大きな銘柄の値動きに影響されやすい)した株価指数となります。
1986年12月31日を基準値(135.00)として算出され、年1回銘柄の入れ替えを実施して、小型株指数としての継続性を維持しています。
「米国小型株ファンド」のほとんどがベンチマーク(運用にあたり目標とする基準)する指数でもあります。
ラッセル1000やラッセル3000との違い
ラッセル2000のほか、ラッセル1000やラッセル3000という株価指数もあります。
これら3つの指数は「1000」「2000」「3000」という数字からも推測できるように、含まれている銘柄の数が違います。違いを表にまとめました。
ラッセル1000 | ・時価総額上位1000銘柄を指数化 ・米国大型株指数 |
ラッセル2000 | ・時価総額上位1001位~3000位までの銘柄を指数化 ・米国小型株指数 |
ラッセル3000 | ・時価総額上位3000銘柄を指数化 ・米国市場を包括する指数 |
ラッセル1000は大型株指数、ラッセル3000は米国全体を包括する指数です。ラッセル1000とラッセル3000は似たような値動きをすることが多くなっています。
ラッセル2000は「暴落の先行指数」と呼ばれる
ラッセル2000は景気に敏感に反応するため「暴落の先行指標」や「炭鉱のカナリア」と呼ばれます。
景気に敏感な理由は、ラッセル2000が小型株で構成されているから。
小型株は会社自体の規模が小さく、大企業の下請け会社も多いため、「景気後退前に大企業からの注文が少なくなり、業績が悪化して株価が下がる」というケースがあります。
また小型株の場合、大企業に比べて株価の下がり方が急激になることも多いです。
ラッセル2000の直近の値動き
ラッセル2000は大型株に先行した値動きが特徴だとお伝えしました。
また「小型株は大型株よりもリターンが大きい=小型株効果」というアノマリー(根拠はないけれどよく当たる、投資にかかわる経験則)もよく言われます。
それが本当なのか確かめるため、実際の値動きをご紹介します。
下落相場では急激に値下がり
2019年5月~2020年3月のラッセル2000とS&P500(米国を代表する大型株指数)の値動きを比べると、以下のようになります。
2019年5月1日を1としたときに「何%上昇・下落したか」を示したもので、青がS&P500、オレンジがラッセル2000です。
Bloomberg ラッセル2000種指数(Russell 2000 Index) https://www.bloomberg.co.jp/quote/RTY:IND
また、同時期のラッセル2000とダウ平均の値動きを比べると、以下のようになります。青がダウ、オレンジがラッセル2000です。
Bloomberg ラッセル2000種指数(Russell 2000 Index) https://www.bloomberg.co.jp/quote/RTY:IND
確かに大型株の値動きと相関していますね。また下落相場での下げ幅が大型株よりもかなり大きいことがわかります。
ラッセル2000のリターンを大型株と比較
ラッセル2000のリターンについてはどうでしょう。大型株を上回っているのでしょうか。
ラッセル2000とS&P500(米国の代表的な大型株指数)の年次リターン実績を比べてみました。
ETF | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 |
ラッセル2000指数 | 19.96% | 25.52% | -11.01% | 14.65% |
S&P500 | 18.40% | 31.49% | -4.38% | 21.83% |
2020年はラッセル2000がS&P500を上回っていますが、「小型株効果」というほど、すば抜けてリターンが大きいわけではありません。
それ以外の年はS&P500のほうがリターンがいいですし、なにより2018年におけるラッセル2000のマイナスが大きいのが気になるところ。
やはり下落相場ではマイナスが大きくなってしまう指数と言えます。
ラッセル2000関連の銘柄やETF
ラッセル2000に含まれる米国株や、関連するETFには以下のようなものがあります。
ステッチフィックス(SFIX) | データサイエンスを用い、オンラインでパーソナルスタイリングサービスを提供する会社 |
プラグパワー(PLUG) | 燃料電池システムなど代替エネルギー技術の会社 |
デナリセラピューティクス(DNLI) | 神経変性疾患(アルツハイマー病やALSなど)の治療薬を開発するバイオ医薬品会社 |
iシェアーズ ラッセル 2000 ETF(IWM) | BlackRockが運用する、ラッセル2000をベンチマークとするETF |
ステッチフィックス、プラグパワー、デナリセラピューティクスはいずれもNASDAQに上場している企業です。
なお個別銘柄およびETFへの投資をすすめる意味で紹介したわけではないのでご注意ください。
前述したように小型株は景気に敏感に反応し、株価の急落が起こりやすいという特徴があるためハイリスク・ハイリターンです。投資するにはややリスクが高いと言えます。
まとめ
ラッセル2000は米国の代表的な小型株指数です。
小型株をもとにしているため景気の影響を受けやすく、大型株に先行して上昇・下落しやすいのが特徴です。そのため、大型株への投資タイミングを見極めるための指数として使えます。
信用リスクが相対的に低い小型株の指数であるため、下落相場での下げ幅が急激かつ大きくなるのも特徴です。
ご紹介したように過去のリターン実績でも大型株指数に劣るため、個別銘柄やラッセル2000をベンチマークするETFに投資するのは、ややリスクが高いと言えるでしょう。
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