HFT(High Frequency Trades=高頻度取引)とは(2)

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HFT(High Frequency Trades=高頻度取引)とは(2)
こちらでは、HFTの市場における功罪(メリットやデメリット)、HFTの存在が個人投資家に及ぼす影響についてお話しします。

HFTのメリット

HFTのメリットは大きく二つあります。
一つは「流動性を供給していること」、二つ目が「相場全体の値動きを抑制すること」です。
それぞれのメリットについて完結に説明していきます。

流動性の供給

HFTとは(1)」でもお話ししたように、HFTは、「マーケットメイク戦略」という市場の形成を通じて、利ざやを稼ぐ戦略を活用しています。
そうした戦略を通じて、HFTを含む高速取引の注文は東京市場全体の約7割を占めるといわれるまでに成長しました。
つまり、ほとんどの投資家がHFTの出している注文相手に取引を行っているということです。
そのことが、「HFTが流動性を供給している」という説明につながるということになります。
HFTの存在が、機関投資家や個人投資家のスムーズな取引に繋がっているという現状を認識してさしつかえないと思います。

相場全体の値動きを抑制する

HFTの多くの注文は、当日中に反対売買によって決済されます。
例えば、HFTが最初に買い注文で入った場合を考えてみると、当日のうちに売り注文を出して決済するということです。
最初に売り注文で入った場合も同様で、当日中に決済されることで、ならしてみると価格に与える影響はほとんどないということになります。
そのため、前日比で見ると値動きは抑制されるということです。

以上の二点が、市場におけるHFTのメリットとして考えられています。

HFTのデメリット

続いて、HFTのデメリットとして挙げられている点についてお話しします。
デメリットとしてよく言われる点は、「相場の急変を招くことがある」、「超高速取引業者(HFT)が、投資家の注文を先回りしているという懸念」という二点です。

市場の安定性への懸念:相場の急変を招くことがある

先ほどのメリットとして挙げた「相場全体の値動きを抑制する」と矛盾しているようですが、反面、相場の急変を招くという点はHFTのデメリットとしてよく指摘されています。
HFTがプログラミングによって高速取引を行っているということは、「HFTとは(1)」で説明したとおりです。
そのプログラミングが不具合を起こした際、他のHFTを巻き込んで売りの連鎖が発生してしまうということが、まれに見られます。
そのようなことが起きると、相場の急変を引き起こすことになるため、HFTのデメリットとして挙げられることがあります。

市場の公共性への懸念:超高速取引業者(HFT)が、投資家の注文を先回りしているという懸念

また、近年では投資家の注文を先回りしているという懸念があることも、デメリットとしていわれています。
HFTは超高速で取引を行うため、ほかの投資家の注文を察知してその注文が来る前に取引を行うことが可能といわれています。

例えば、投資家の買い注文を察知した場合、HFTが先回りして購入を行い、その投資家の買い注文にぶつけることで利ざやを稼ぐことが可能になるということです。
そうした取引が行われた場合、買い注文を入れた投資家はHFTの行動によって少し割高な価格で購入せざるを得なくなるということになります。
こうした行動が問題視されており、HFTのデメリットとして認識されるようになりました。

ここまできた「超高速」株取引の威力 「HFT」は善か悪か? マーケット速報  松崎 泰弘 2016/01/28 17:15
会社四季報ONLINE 東洋経済新報社
https://shikiho.jp/news/0/102597

HFTが個人投資家に及ぼす影響

最後に、HFTが個人投資家に及ぼす影響について考えていきたいと思います。

取引手数料無料のサービスが利用できる

まずは「取引手数料無料のサービスが利用できる」という点です。
「HFTとは(1)」の記事で「ロビンフッド」というアメリカの個人投資家の間で人気を博している取引手数料無料の投資アプリについて説明しましたが、日本においてもそうしたサービスが利用できるようになっています。
ただ、手数料無料の裏側には先ほどデメリットとして挙げた、注文の先回りがされているという懸念があるという点は、認識しておきましょう。

相場急変に巻き込まれる可能性がある

二点目が、相場急変に巻き込まれる可能性があるということです。
先ほど挙げたように、HFTが利用するプログラミングによって、相場の急変が、まれに起きる可能性があります。
そういった急激な変動が発生するときに、ポジション保有していれば大きな損失につながる可能性があるということは認識しておく必要があります。

以上、HFTのメリットやデメリット、HFTが個人投資家に及ぼす影響についてお話しました。
HFTとは(1)」の記事も読んでいただければ、一層理解が深まると思いますので、併せてご覧ください。

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