アルケゴス・ショックとは(1)

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アルケゴス・ショックとは?(1)
3月26日、米国メディア企業の株と中国ADRの株価が大きく下落しました。
これをきっかけに起きたある事象で、日欧の一部金融機関は巨額の損失を出すことになりました。
この裏にはアルケゴス・キャピタル・マネジメントという組織が大きくかかわっていることが後にわかりました。
ここでは、今回アルケゴス・キャピタルによって引き起こされたアルケゴス・ショックについて、その事象の原因や、
アルケゴス・キャピタル・マネジメントとは具体的にどういう組織なのか、その動きなどを詳しくお話したいと思います。

アルケゴス・ショックとは?

アルケゴス・キャピタル・マネジメントは、元ヘッジファンドのビル・ホワンの個人資産で運用される資産管理会社(ファミリーオフィス)です。
アルケゴスは金融機関に一定の担保を預けることで、実際に株を持たずして自己資金以上の取引をするデリバティブ取引を複数の金融機関で行っていました。
この取引によりアルケゴスは自己資金の5倍~10倍のレバレッジをかけるという非常にハイリスクな取引を行っていました。

このようにレバレッジ取引を行うことで、予想通り株価が上昇すれば大きな利益を出すことができます。
アルケゴスは米国メディアのバイアコムCBSや中国株ADRのバイドゥ等の株式に個別に投資し、利益を狙いましたが、予想を外して下落してしまいます。
これにより融資していた複数の金融機関から追加の証拠金を差し出すよう言われたのですが、アルケゴスは証拠金を入金できませんでした。
そこで各金融機関はアルケゴスが集中投資していた巨額の株式を強制決済(売却)することになります。

関わっていた金融機関はゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー、クレディ・スイス、野村ホールディングスや三菱UFJ証券ホールディングスなど日米欧複数になります。今回の件で金融機関は約2兆ドル規模の株式を「ブロック取引」とよばれる方法で売却します。
これによって大量の売りが出た米メディア株や中国株ADRは大きく下落することになりました。また取引にかかわっていた一部金融機関は大きな損失を被りました。
野村ホールディングスは2,000億円、三菱UFJ証券ホールディングスは330億円、クレディ・スイスは5200億円の損失を発表し、リスク管理の甘さが露呈したことからクレディ・スイスでは経営幹部の辞任まで発表される事態にまでなりました。
ほかにもドイツ証券など米欧の他の金融機関でも取引があったとされています。

今回の件により一部金融機関とアルケゴスが投資していた米メディア・中国ADRの株価には大きな影響が出ましたが、この件が直接金融ショックなどに発展する可能性は低いと考えられます。
しかし市場ではファミリーオフィスで今回のアルケゴスのような事象がまた起きるのではないか?と言われています。今回の事件はどうして起きてしまったのでしょうか?

アルケゴス・キャピタル・マネジメントとは?ビル・ホワンとはどんな人物?

アルケゴスの代表であるビル・ホワンとはどんな人物なのでしょうか?ビル・ホワンは韓国系米国人で、ジュリアン・ロバートソン率いるタイガーマネジメントとよばれるヘッジファンド出身の人物です。
今回ビル・ホワンは大きな損失を出してしまいましたが、ビル・ホワンは実は「天才投資家」とも呼ばれる凄腕(すごうで)投資家でありました。

ビル・ホワンは牧師の父と宣教師の母のもとに産まれました。信仰心が強く、神に好かれるため、慈善活動を行い自身の資産を開発途上国へ寄附するという信仰にあつい人物という側面もありました。
高校3年生のときに米国へ行き、カリフォルニア大学ロサンゼルス校を卒業、カーネギーメロンという金融工学で有名な大学でMBAを取得した後、ニューヨークで証券業界に就職。その後1996年にジュリアン・ロバートソンと出会い、タイガーマネジメントに入社し弟子入りしました。
現在タイガーマネジメントは存在しませんが(2000年3月にファンドは閉鎖)、2001年にはビル・ホワン自身がタイガー・アジア・マネジメントを設立。
1,600万ドルの資産を1億4,000万ドルまで増やすことに成功しており、投資の実力は非常に高かったことがわかります。
2008年に起きたリーマンショックによってタイガー・アジア・マネジメントの運用は一時的に傾きますが、中国銀行と中国建設銀行の株への投資により莫大(ばくだい)な利益を出すことに再び成功しました。
しかし、この内容はインサイダー取引(機密情報を利用した不正な取引)としての容疑をかけられ、2012年に4,400万ドルの罰金を支払い、ビル・ホワンはウォール街を追放されることになりました。

その後タイガー・アジア・マネジメントを個人資産に転換してファミリーオフィスとしての運用を開始しました。
これが後のアルケゴス・キャピタル・マネジメントになります。
ビル・ホワンはこのような経歴があったことから一部金融機関では要注意人物として扱われていたようです。
しかしそれにもかかわらずアルケゴスはリスクの高い取引をできたのは、アルケゴスが、ファミリーオフィスという形態をとっていたことで、外部からアルケゴス内部での実態の把握が難しかったことが理由でした。
ではファミリーオフィスとはいったい何なのでしょうか。アルケゴスはどのような取引を行っていたのでしょうか。
それによって各金融機関はどうして損失に至ってしまったのでしょうか。次の章で説明していきます。

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